過去問.JP

多角化戦略のうち，M&Aによる垂直統合に該当するものはどれか。

垂直統合に関するM&Aの解説

M&A（合併と買収）は、企業が他社を吸収合併したり、買収したりするプロセスで、事業の多角化や企業グループの再編を目的として行われます。

このM&Aは、その形態によって「垂直統合型」、「水平統合型」、「混合型」に分類されます。

垂直統合型M&A

企業がサプライチェーンの上流（材料供給）や下流（製品販売）のプロセスに位置する他社を買収することです。

例えば、製品を製造する会社が、原材料を供給する企業を買収する場合がこれに該当します。

これにより、企業は供給の安定性を高めたり、製造コストを削減したりできます。

水平統合型M&A

同業同士の企業が合併する形態です。同業種の企業を買収することで、規模の経済を追求し、市場シェアや競争力を強化することが目的です。

混合型M&A

異業種間でのM&Aで、新たな市場や分野へ進出する目的があります。これは企業の柔軟性や市場対応力を高める手段として用いられます。

• ア: 銀行は金融商品を扱い、保険会社は保険商品を提供する異業種企業です。このため、この選択肢の買収・合併は混合型に該当します。
• イ: 自動車メーカーが軽自動車メーカーを買収する行為は、同じ自動車業界内での合併なので、水平統合型に該当します。
• エ: 電機メーカーが全く異なる事業である不動産会社を買収するのは混合型に該当します。このようなM&Aは新規市場や事業への進出を狙います。