多数のクライアントが、LANに接続された1台のプリンタを共同利用するときの印刷要求から印刷完了までの所要時間を、待ち行列理論を適用して見積もる場合について考える。

プリンタの運用方法や利用状況に関する記述のうち、MMM/1の待ち行列モデルの条件に反しないものはどれか。

×不正解です
M/M/1 待ち行列モデルの条件M/M/1モデルは、以下のような待ち行列理論の条件を満たすシステムに適用されます。
  1. 到着過程がポアソン分布(すなわち、各クライアントの印刷要求はランダムに発生する)
  2. サービス時間が指数分布に従う(すなわち、印刷時間はランダムな変数として扱われる)
  3. 1つのサーバ(プリンタ) で処理を行う
  4. 先着順(FIFO: First In, First Out)で処理される
  5. 待ち行列の長さは無限(理論上、どれだけでも待てる)
ア:一部のクライアントは、プリンタの空き具合を見ながら印刷要求をする。
→ NG(M/M/1モデルに反する)
M/M/1モデルでは、到着過程はポアソン分布に従うことが前提。
ユーザーがプリンタの状態を見て判断する場合、到着過程がポアソン分布にならない可能性がある。
イ:印刷の緊急性や印刷量の多少にかかわらず、先着順に印刷する。
→ OK(M/M/1モデルの条件に適合)
M/M/1モデルでは FIFO(先着順処理) が前提。
この記述はFIFOのルールに合致している。
ウ:印刷待ち文書の総量がプリンタのバッファサイズを超えるときは、一時的に受付を中断する。
→ NG(M/M/1モデルに反する)
M/M/1モデルでは 待ち行列の長さは無限(理論上)。
しかし、この記述ではバッファが一杯になると受付を停止するため、条件に合わない。
エ:一つの印刷要求から印刷完了までの所要時間は、印刷の準備に要する一定時間と、印刷量に比例する時間の合計である。
→ NG(M/M/1モデルに反する)
M/M/1モデルでは、サービス時間は指数分布に従う ことが前提。
しかし、この記述では「印刷量に比例する時間」とあり、固定的な関係になっているため、指数分布にはならない。